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鉄道ファン(1968.10)~43-10改正、新形式、ある事故の示すもの  

今回は、鉄道ファン誌の1968年10月号をご紹介させていただきます。
実家で滅多に開けない棚の中に、鉄道ファン誌の1967年1月号~1968年12月号の24冊が束ねてありました。
以前より当ブログへご訪問いただいている方はご存知でしょうが、自分が鉄道雑誌を買っていた1970年代前半から1980年代後半の数百冊は実家でほぼ全て処分されてしまいました。
でも、この24冊は人からいただいたもので別の場所にあったため難を逃れていました。

1968年10月といえば、有名なヨンサントウ白紙ダイヤ改正が実施されています。
主な記事としては、表紙にあるように(昭和)43年10月時刻改正の概要、43-10に登場する国鉄のニューフェース、営団地下鉄9号線用試作6000系(形)電車、そして、圧巻なのが西尾克三郎氏の蒸気機関車写真集でした。
表紙は、1968年7月に手宮機関庫で「しずか号」と対面するために、鷹取工場から北海道へ運ばれた「義経号」の写真でした。
鉄道ファン196810-1

43-10改正では、全国的に動力近代化とスピードアップが図られ、例えば上野~青森間(列車名記載なし)は改正前の所要時間10時間24分だったものが8時間30分に114分短縮、大阪~青森間(日本海)は所要時間22時間4分だったものが16時間20分に5時間44分短縮されています。
国鉄の新型車両としては、169系・711系・485系・583系電車、ED78・EF71電気機関車、キハ181系気動車が運行を開始しました。

全130頁の中から一部ご紹介させていただくのは34頁に掲載の営団地下鉄試作6000系の写真と126頁に掲載の関水金属の広告です。
鉄道ファン196810-4
試作6000系は格好いいですね。
関水金属のEF70は我家にありましたが、Nゲージなのに金属製ボディでズッシリと重かった記憶があります(これも処分されてしまい今はもうありません)。

最後に、「ある事故の示すもの」という記事もご紹介しておきます。
この年の8月、東京駅へ進入して来た特急「富士」の運転士が列車を撮影しようとしていた子供に危険を感じ急制動をかけたため、デッキにいた乗客乗客数人が倒れて怪我をしたという記事が朝日新聞に掲載されたというものです。
他にも、有名な鉄道写真家N氏が線路中心にカメラを据えて撮影した写真を真似する輩がいて危険極まりないとか、メーカーズプレートが盗難にあったとか、既に50年以上も前に鉄道ファンのマナー問題について書かれており、そのような行為が自分たちの首を絞めることになるので注意すべきとの内容なのですが、現在もそのような問題が後を絶たないことが残念です。
なお、掲載が不適等のご指摘がある場合は該当箇所を削除いたします。

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国鉄 白紙 ダイヤ改正 鉄道ファン ヨンサントウ 7100 東京メトロ 6000形 KATO
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Posted on 2020/10/30 Fri. 06:37 [edit]

category: ~模型・グッズ等

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コメント

こんばんは
僕が生まれた頃の鉄道ファン誌ですね。当時の価格が知りたいです。よろしくお願い申し上げます。
おっしゃる通り、昭和40年代から動力近代化が加速しました。交流・交直流車の台頭、気動車やディーゼル機関車の台頭が急速に進み、SLが淘汰されていきました。SLブームが始まった頃ですね。
当時はSLブームの陰であまり注目されませんでしたが、SL淘汰とほぼ同時進行だったのが、全国の路面電車の廃止でした。交通渋滞の緩和という大義名分でしたが、路面電車がなくなっても渋滞は緩和されません。今思えば行政の大失態です。
この時代からすでに鉄道ファンの危険行為があったのですね。全く改善されません。
当時はまだおおらかな時代でしたが、今はそうではありません。鉄道会社がファン対策を始めたのもやむを得ないと思います。

URL | 四季彩 #-
2020/10/30 17:21 | edit

こんばんは。
よくyoutubeで昔のSLブームの頃のビデオを見たりするのですが、当時は平気で線路に入って前から望遠で撮影していたり、ホームから降りて撮っていたりしていて驚きます。駅から線路を歩いて撮影地に行くなどは普通だったようですし。その頃に比べればまだマシかな?とも思いますが、やはりいつの時代もマナーが必要だと思います。単に趣味なのですから、人に迷惑を掛けてはいけないのです。

URL | がたぱしゃ(gatapasya) #BaRPan0g
2020/10/30 18:03 | edit

四季彩さん

こんにちは。
当時の定価は300円(130頁)でした。
ただ、この年の10月号以外は200円(80頁程度)なので増大号だったようです。
路面電車はモータリゼーションの影で姿を消しましたが、
残っている都市は観光資源としても活躍していますよね。
自分の地元は愚かなので高崎も前橋も廃止してしまいました。
鉄道ファンの危険行為は50年以上前から問題視されていたようです。
国民も鉄道会社もおおらかだったのでそれほど問題にされなかったのでしょう。
昨今は危険行為が改善されるどころかエスカレートしているようにも見えます。
日本人の民度は世間で言われるほど高くないのでしょうね。

URL | SL10(Series181) #FHdD7f6w
2020/10/31 11:44 | edit

がたぱしゃさん

おはようございます。
昔は線路沿いの柵がない場所も多かったですし駅もオープンでしたね。
駅員さんもおおらかで一声かければ「気を付けろよ」と言われるくらいで
ホーム端から降りて撮影することもできました。
自分は流石に線路内で撮影したことはありませんでしたが、
SLブームを経験したもう少し上の世代の方々は何でもありだったのでしょうか。
中止になってしまいましたが春の群馬DCで八高線にSLを走らせることを
JR東日本はかなり躊躇したそうです。
昭和40年代のSL終焉時に大混乱した記録が残っているからとのことで
ファンは、問題を起こせば次はないと思って撮影等をするべきですよね。

URL | SL10(Series181) #FHdD7f6w
2020/10/31 11:53 | edit

こんばんは。
1960年代の鉄道雑誌を古本屋で見ると、つい買ってしまいます。
明治の話が出たり、今消えようとしている車両たちが新車として登場したりと楽しいです。
この号も手元にありますが、「鶯谷界隈」や西尾克三郎写真集がたまりません。

URL | ●kuromaru #-
2020/11/01 20:35 | edit

|●kuromaruさん

こんばんは。
この号を含む67~68年の鉄道ファン誌24冊は
滅多に開けない棚の中に40年近く眠っていました。
現物を見るまで記憶から完全に消えておりました。
西尾氏の写真は素晴らしいですよね。
今と違って簡単に写真を撮ることができない時代に
鮮明な記録を残されているのですから文化遺産的価値がありますよね。

URL | SL10(Series181) #FHdD7f6w
2020/11/02 18:30 | edit

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