東京メトロ（株式上場へ）～都営との経営統合はほぼ消滅

読売新聞によれば、国交省の専門委員会（東京圏における今後の地下鉄ネットワークのあり方等に関する小委員会）が、政府と東京都が持つ東京メトロの株式について、保有分の1/2を売却したうえで上場を目指すことが適切とする答申案をまとめたとのことです。

※この委員会は、昨年12月に小池都知事が東京メトロ株売却と地下鉄路線整備を併せて検討すべきと赤羽国交大臣に要請し、今年1月に設置されたものです。

現在、東京メトロの株式は政府が53.4％、東京都が46.6％を保有しており、2002年に制定された東京地下鉄株式会社法では｢できる限り速やかに株式を売却する｣とされ、2011年に制定された復興財源確保法では2022年度までの東京メトロ株の売却について規定されました。（2020年の復興財源確保法改正により売却期限を2027年度までに延長。）

それにも関わらず東京メトロ株の売却が進まなかった理由は、政府と東京都に思惑の違いがあったからですね。

・政　府：復興財源がない、経営が厳しい都営地下鉄と経営統合したら価値が下がる

　　　　　⇒早く売りたい。

・東京都：東京メトロの路線整備に口を出したい、都営地下鉄と経営統合したい

　　　　　⇒売りたくない。

なお、東京メトロの考え方は政府寄りでした。

写真は、渋谷を走る東京メトロ銀座線01系です。（2012年4月撮影）

今回の答申案は、東京都が都営地下鉄と東京メトロとの経営統合を断念し、東京メトロが一定の財政支援を受けることで路線整備を行うことを受け入れたからと言われています。

これにより東京メトロの株式上場が見えて来ましたが、都営地下鉄との経営統合はほぼ消滅したと言えるのでしょうね。

東京メトロが行う新路線の整備は、（政府と東京都から財政支援を受けることが前提ですが）有楽町線の豊洲～住吉間、南北線の白金高輪～品川間の延伸とのことです。

（個人的には、浅草線の東京乗り入れを実現させて欲しいのですが…）

専門委員会の資料はこちら

※7月3日午前9時現在、最新の資料は未掲載です。

読売新聞の記事はこちら

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